ライナーアンドザ・スカイ
徒歩通学の俺と成瀬はそのまま帰途についた。
通学時間は大体ニ十分。
行きは下り坂が多いが、帰りはその逆だ。
だから二人とも自転車は使わない。
「……質問」
駅前の喧騒を離れ住宅街に入った頃、俺の半歩先を歩いていた成瀬に話しかけた。
「ん?」
成瀬は振り返らずに返事した。
ポケットに手を突っ込んで、いつも通りだるそうな歩き方だけれど、その声は上機嫌だった。
「俺っていつもどんな顔してる?」
「は?急になんだよ」
流石に驚いたらしい。振り返った。
「ちょっと気になって」
「中の上くらいじゃねーの?ブサメンではないと思うぜ」
……俺が聞きたかったのはそういうことじゃなかったんだけど。