ライナーアンドザ・スカイ
君の名は
「秋山、メシ食ったら職員室来い」
クラス担任の授業が終わって、昼休み。
去り際に呼び出された。
四十手前の、無精ひげを生やした担任は何かと俺を使う。
「大変だな。委員長」
そう、俺クラス委員長。
成瀬がコンビニの袋を提げてやってきた。
そして授業が終わるとほぼ同時に空いた、前の席に座った。
「代わってくれよ」
「俺のガラじゃねーよ」
俺のガラでもねーよ。
立候補者がいなかったクラス委員長選出時。
みんなお互いをまだよく知らなくて、推薦者もいなかった。
やりたがらない生徒達はとても大人しい。
そんな静まり返った教室に響いたのは、担任の声。
『男子名簿一番の秋山でいいな。はい皆さん拍手』
拒む隙も与えられなかった。