ライナーアンドザ・スカイ


少し、考えるふりをした。

その条件を簡単に呑んだと思われたくなかった。
そのために間を置いた。


「いいですけど、もうばれてんじゃないですか?」


成瀬くん。
君は本当にいい友人を持ったね。


「こんなところで吸ってたら、とっくに誰かに見られてそうですよ」


言いながら梳かす手を再開した。

ばらされる心配がなくなった会長は、煙草を再び口に銜えた。


「広田先生も、
『佐伯とはあまり関わるな』って言ってたし。それに会長っていろんな噂あるじゃなですか」


レディースの頭、援助交際、百人斬り、あとは去年騒がれた事件の関係者とか。
俺が知らないだけできっともっとあるのだろう。


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