初恋をもう一度
「…いい加減、手離したら?」
あたしはさっきからずっと隆史に手を握られたままだ。
「そんなに嫌?やっぱ優樹のが良かった?」
隆史が意味あり気に笑うから、あたしはびっくりする。
「は!?」
素っ頓狂な声を出してしまった。
「怪し~、やっぱ優樹が良かったんだ?」
「っちがっ!ってかそんなこと言うなら隆史だって、美智のが良かったんじゃないの?今隣にいるのっ。」
「は?おまっ、何言っちゃてんの!?」
そう言いながら隆史の顔は赤い。