初恋をもう一度


「…いい加減、手離したら?」

あたしはさっきからずっと隆史に手を握られたままだ。

「そんなに嫌?やっぱ優樹のが良かった?」

隆史が意味あり気に笑うから、あたしはびっくりする。

「は!?」

素っ頓狂な声を出してしまった。

「怪し~、やっぱ優樹が良かったんだ?」

「っちがっ!ってかそんなこと言うなら隆史だって、美智のが良かったんじゃないの?今隣にいるのっ。」

「は?おまっ、何言っちゃてんの!?」

そう言いながら隆史の顔は赤い。


< 100 / 187 >

この作品をシェア

pagetop