初恋をもう一度


「葉月っ!待てよ、オレも行く。」

「隆史…」

あたしの後ろから走ってきた彼は、軽々あたしに追いつく。

「でも、隆史が来てどぉすんの?」

「あいつが泣いてんだ、オレが支えてやりたいんだよ。お前こそ美智に何て言うんだよ?お前、優樹のコト好きなんだろ?黙ってたけど、優樹もお前のコト好きなんだよ。だから美智の告白断ったんだよ。」

「でもっ!そんなの…。」

「信じられないって?じゃあ直接優樹に聞いてみな。とにかく、美智もお前らの気持ちには気づいてるよ。今お前だけが行っても、美智を苦しめるだけだ。それともずっと嘘つき通す気?」

「…」


その覚悟で、あたしは走り出したのに、隆史の言葉に決心がゆらぐ。


「とにかく、オレも行くよ。急ごう、美智が心配だ。」

そう言って、あたしの手を引いて走り出した隆史に、何故かあたしはドキドキしてしまった。



かっこいいと、思ってしまった。



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