初恋をもう一度


「美智っ!!」

駅近くの公園のベンチに、美智の後ろ姿を見つけた。

よかった、まだ生きてた…

それだけでホッとする。

「葉月… と隆史?」

泣きながら顔を上げた美智が少し驚いた顔をした。

「大丈夫か?」

隆史がそっと、美智に近づく。

コクンと恥ずかしそうに、小さく頷く美智。

隆史の手が、美智を抱きしめたいって言ってる。

隆史の足が、美智の前でひざまずきたいって言ってる。


「葉月、あたし失恋しちゃった。」

泣き笑いみたいな顔で美智はあたしを見上げて言った。

「うん。」


あたしは、何て言ったらいいの?

ねぇ、美智にどんな言葉をかけてあげたらいい?


どうして…どこから運命は狂いはじめたの?


こんな予定じゃ、なかったのに。


あたし、何か過去とは違う行動をしちゃったんだろうか?


違うことって言ったら、あの恥ずかしいメールを送んなかったぐらいで…


!?


< 109 / 187 >

この作品をシェア

pagetop