初恋をもう一度


「ほらっ!何の為に一緒に来たの?」

そう言って、あたしは隆史の背中を押した。

隆史は、少し照れながら美智の前へと進む。

「隆史クン?」

美智が不思議そうに隆史の顔を見上げる。

「…オレさ、お前のコト好きなんだ。今のメンバーで仲良くなってから、気がついたらお前のコトばっか見てた。でも、だからこそ美智が優しか見えてないの知ってたし、オレの気持ちは言わないつもりだったんだけど…。別にオレの気持ちに応えてほしいとかそーゆうんじゃなくて、ただ美智の支えになりたいんだ。辛い時に、お前のそばにいてやりたい。」

「隆史クン…」

美智の瞳から涙が流れて、隆史はそっと美智を抱きしめた。

あたしはその様子を見て、静かにその場から去った。


少し美智がうらやましいと思った。


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