初恋をもう一度
そんな8月の終わりの午後。
朝からのその日1日のカリキュラムを終えて、いつものように塾の教室を後にして階段を下りたら、あたしの塾のあるビルの一階の入り口に優樹がガードレールによりかかるようにして、音楽を聞きながら立っていた。
「優樹?」
あたしの声が聞こえたのかどうかは分からないけど、耳に付けていたイヤフォンをはずし、優樹がこちらを見る。
「葉月、ごめん。話しあんだけどさ、今から時間ある?」
「うん。」
何となく、優樹の話しってのが想像出来て、あたしは緊張する。
ってか、自惚れんな自分っ!!