初恋をもう一度
机に向かってきっと勉強していたであろう美智が、椅子の向きをくるっと反転させて、ドアの方を向いた。
「まぁその辺、てきとーに座って?」
あたしは床に置かれたローテーブルの前に行き、ベッドを背もたれにする感じで座った。
「あのさ、もう優樹のコトは大丈夫?まだ辛い?」
あたしは本題が切り出せず、まずは探るような言葉をかけた。
「ん、なんとかね。やっぱまだ辛いけどさ、前向きに乗り越えなきゃって思ってるよ。」
美智の言葉に少し安心する。
良かった…。
「そっか…。それは、隆史のせいだったりするの?」