初恋をもう一度
「とにかくっ。あたしはもう大丈夫だから。やっぱりまだ優クンのコトは好きだし、そんな簡単に気持ち切り替わんないけど、でも応援するって決めたの。優クンが好きな人と結ばれるなら、今までの感謝の気持ちも込めて、祝福してあげようって。相手が葉月なら、譲る。って、もともと優クンはあたしのモノでも何でもないんだけど。」
美智がペロッと舌を出してみせる。
「…美智。ありがと。」
こんな言葉しか見つからない。
あたしは、美智の為にも優樹を幸せにしなきゃ。
この失恋を通じて、美智はきっと成長した。
綺麗になった美智に、素敵な彼氏が出来るのも時間の問題のような気がした。
隆史が隣に並ぶ姿を想像する。
お似合いな2人に、チクッと心が少し痛んだ気がしたのは、きっとあたしの気のせい。
だってあたしはずっと優樹一筋だもん。