初恋をもう一度
「はぁ、もうやだ…」
放課後の教室。
みんな下校した後の静かな教室で、あたしは唯一相談出来る相手に愚痴る。
机に伏せてため息をつくあたしの頭を、向かいの席に座ってこっちを見てた彼の手がポンってさわった。
「まぁみんなオレらと同じで焦ってんだよ。卒業までもうすぐじゃん?振られるのが100%分かってても、自分が気持ち伝えてスッキリして次の恋に進みたいっていうかさ。そーゆーもんでしょ?優はモテるからなぁ、まぁ断ってんだから気にすることないんじゃね?」
「うーん、まぁそうなんだけど。でもさぁ。…何であたしが彼女だって言ってくれないわけ?」
あたしは机に伏せたまま頭だけ上にあげて、不満そうに彼を見上げる。