初恋をもう一度


優樹が一瞬淋しそうな顔をした。

つないだ手がぎゅって握られる。

「でも遠く離れるわけじゃないしさ、週末とか会えるじゃん?あとたまに学校帰りとか待ち合わせたりさ。」

あたしはわざと明るく言った。

だけど優樹は不満そうに

「葉月はオレと毎日会えなくなっても平気なんだ…」

なんて呟く。

スネてる?


「あー、もうっ!男のクセに、スネんなっ!」

あたしはつないだ手を痛いくらいにぎゅって握った。

「いてっ!」

顔をしかめた優樹を見て笑うあたし。

これじゃあどっちが男か女か分かんないな。

っ!?

「いたっ!」

繋いでた手に痛みを感じて、隣の優樹を見上げると、意地悪に微笑む彼。

「おかえし♪」

「おかえしって、今女の子相手に本気じゃなかった?超痛かったんだけどっ!赤くなってるしー!!」

「女の子?誰が?」

「ひっどぉ。じゃああたしが女じゃなかったら優樹は何?ゲイ??」

「あははっ。そーかも(笑)」

「何それ(笑)」


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