初恋をもう一度
「あの、話って何?」
人気のない中庭まで連れ出されたとこで、あたしはついに口を開いた。
また女の子達は、交互に顔を見合わせて、言いにくそうにしてる。
そしてまたリーダー的な彼女が口を開いた。
「吉田先輩と湯川先輩のことです。」
あぁ、やっぱり。
何となくそんな予感はしていた。
って言うか、それ以外にあたしを呼び出す理由がない。
「…好きなの?優樹のコト。それとも隆史?」
あたしは少しため息をつきながら聞いた。
きっとその態度が彼女たちの神経を逆なでしたんだろう。
後ろで控え目にしてた女の子が大声を出したと思ったら、泣きながら言った。
「先輩って最低ですっ!湯川センパイっていう素敵な彼がいながら、友達の彼氏に手を出すなんてっ!美智センパイが可哀相っ、ひっく、デス。」
「…あのさぁ、どっからあんなウワサが立ったのか知らないけど、あんなのデマだから。」
あたしが少し呆れ気味に言うと、リーダーかくの子が、泣いてる子をなだめながらあたしを睨む。