初恋をもう一度
あたしの言葉に今度は杏里が口を開く。
「あー、隆史は大丈夫。怒ってるとかゆーわけじゃなくてさ、葉月が泣いてんのみてショックだったみたい。」
「は?ショック?なんで隆史が。」
「うーん、葉月って、人前で泣くような子じゃないじゃん?自分の何も考えてなかった行動のせいで、葉月傷つけたって思ったみたい。ほら、夏祭りで手繋いだのとかもさ、冗談だったんだけど、誤解を深めちゃったわけじゃん?責任感じちゃってるワケよ。」
「そんな…隆史だけのせいじゃないのに。」
「まぁ噂が落ち着くまでさ、ちょっと距離おく気みたいだけど。またすぐ前みたいに戻れると思うから、気にすんな☆」
杏里があたしの肩を叩く。
「ってか、こんな時にあんたの王子は風邪かよぉ、情けねぇ(笑)」
真由美がそんな冗談言って、あたし達は笑いあう。
あたしはホントにこのメンバーさえ分かってくれてれば、怖いものなんてない。
隆史の優しさも胸に染みる。
もう大丈夫。
明日からはまた笑える。
涙なんて流すもんか。