初恋をもう一度
「…なぁ、葉月。オレのコト好き?」
「えっ!?な、何、急にっ!!」
いきなりマジな顔でそんなコト聞いてくる優樹に、あたしは恥ずかしさのあまりはぐらかしてしまう。
「オレさ、自分がこんなにヤキモチ焼きだなんて思ってなくてさ、かっこわりぃんだけど、不安なんだ。葉月はホントにオレのコトが好きなんかなって。付き合ってても不安で、だからタカシが美智と付き合いだしたって聞いた時は正直ほっとした。葉月のコト信じてないワケじゃないんだけど…」
優樹に真剣な目で見つめられて、あたしは金縛りにでもあったかのように動けなくて。
優樹から目をそらせなくて。
優樹が立ち上がって、あたしのブランコの手すりを握る。
「…好きじゃなかったら付き合ってないよ。ずっとあたしの片思いだと思ってた。優樹は美智の手を離すなんて出来ないと思ってたから…」
彼の目をまっすぐ見ながらそう言ったあたしの目の前に、暗い影が落ちてくる。
あたしは思わず目を閉じた。