初恋をもう一度


美智がつぶやく。

「送ってくよ。」

いつものように優しく差し出された優樹の手を、美智が振り払う。

「お願いだから、これ以上優しくしないで…」

美智の言葉に、ハッとしたように、優樹の手が止まる。

「…ごめん。」

それだけ言って、うつむいた。

美智は、一人その場を去る。

とり残されるあたし達…


< 46 / 187 >

この作品をシェア

pagetop