初恋をもう一度
低い聞き慣れない声が、電話の向こうから聞こえた。
大人びた声…
これが、優樹の声?
なんだか知らない大人の人の声みたいだ。
「もしもし?葉月?」
あたしの名前を呼ぶ声に、ドキっとする。
「ゆう…き?」
半信半疑で聞く。
「そうだけど。どーした?」
優樹だと分かった瞬間に、安堵の気持ちが込み上げる。
「優樹、あのね。どう言ったらいいか分かんないんだけど。あのさ…。えと、」
どう切り出したらいいか分からないあたし。