初恋をもう一度
お昼休みを終えて、みんなで会社に戻る。
接客業のこの仕事。
平日のお昼の時間帯は、携帯を買いに来る人なんてそういるわけでもなく、お店はすいている。
そんな時はスタッフ同士でくだらない話なんかしたりして。
「ねね、ヨッシーと葉月って中学一緒でしょ?クラスとかは違ったのー?」
結花が吉田クンに訪ねる。
「あー、中2は一緒だったけど、中3は確か違ったよな?」
あたしに聞く彼の言葉は、どこかぎこちない。
嘘じゃないけど、真実は隠してるような言い方。
だからあたしも合わせる。
「そうだね。」
「へー。じゃあさ、ヨッシーの彼女ってぇ、幼なじみってホント?中学から付き合ってんだって?」
「あぁ…。まぁ、家が向かいで。物心着いた頃からアイツとは一緒にいたから。なんか家族みたいな感じ?吉澤は知ってるよな。」