初恋をもう一度
「それは…分かんないもんは分かんないのっ!」
あたしの言葉に、二人が少し呆れてるみたいな気がした。
「なんか今日の葉月幼いよね、中学生みたい。」
杏里の言葉にドキッとする。
「分かんないってことは、まだ好きなんだ、優のこと。」
真由美が独り言みたいにつぶやく。
「…葉月の為を思って言うんだからね。優じゃない人と幸せになった方がいいよ。」
「え?」
「優を思い続けてたらさ、一生幸せにはなれないよ。」
真由美の言葉が、ナイフみたいにあたしの心に突き刺さる。
何で?
何でそんなこと言うの?
あたしと優樹は、15歳の夏の時点では、両思いだったんじゃないの?
やっぱり優樹は、あたしより美智が大事だった?