初恋をもう一度
「いらっしゃい。」
そう言って、迎えてくれた美智のおばさんは、相変わらずキレイだ。
美智のおばさんは昔から美人だった。
健と隆史はいつも騒いでたのに、大人になった彼らはすごく落ち着いていた。
なんだか慣れない雰囲気に戸惑う。
「葉月ちゃん久しぶりね。」
おばさんがあたしを見て微笑む。
「お久しぶりです。」
ホントは数日前に美智の家に遊びに行った時に会ったんだけど、話しを合わせながらぺこりと頭をさげた。
「美智、今年もみんなが来てくれたわよ。」
おばさんが奥のドアを開けながら、部屋の奥に向かって話しかける。
前はピアノが置かれていたその場所に、大きな仏壇と美智の写真が飾られていた。