初恋をもう一度


5人でそんな会話をしてたら、少し遅れて優樹と美智がやってきた。

美智はピンクのいかにも美智らしい、可愛い浴衣で。

隣の優樹は甚平姿がめちゃくちゃかっこいい。

なんか普段と違う姿ってさ、しかも好きな人ってなるとさ、ドキっとしちゃうよね。


美智と並んでると、お似合いのカップルって感じだけど…


そんなことを考えながら、優樹を見てたら、優樹の視線があたしで止まった。

一瞬、目を見開いて、そしてあたしを見つめて視線が止まる。

ドキドキしてしまう。

あたしに見とれてる?

なんて、自意識過剰かな。

「おせーよ、優樹!美智は浴衣姿が可愛いから許すけど♪」

隆史がそう言って、優樹にタックルする。

美智が少し照れたように笑った。

そっか、隆史って美智のコト好きなんだよね。

今日隆史もあたしと同じ思いを味わうことになんだなぁ…。

「よしっ!みんな揃ったし、行こっか。隆史!」

あたしはいつもなら美智の手をとって進むんだけど、今日は隆史の手を引っ張った。

美智と優樹が少しびっくりしてる。



でもなんか、これから先に待つ未来を考えたら、隆史を一人にしたくなかったんだ。


あたしには、分かるから…



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