P.P.Qには秘密。

▼どんがらがっしゃん、転校生。




ちゃりちゃりちゃりちゃり、何だか微妙な音を立てる自転車を必死に漕ぎながら梅雨の合間の晴れた空の下を華麗に……とまではいかない感じで、学校へと向かうあたし。


「何っか、チャリ調子悪い……なあっ!?」


どんがらがっしゃ─────ん!


「いったあ──っ!?」


チェーン、外れました。

よりによって!?
よりによって、こんな大通りしかも交差点前で、ものの見事にあたし転倒!?

あたし、可哀相過ぎる。


「うう……真面目に痛い……」


右側を自転車に挟まれたまま無様に転倒したあたし、と、くすくす聞こえる誰かの笑い声。

マジ痛い。
てか、マジで泣いてもいいですか。
すごく、この上なく恥ずかしいんだけど。

スカートめくれてないだけよかったかもしれないけど、そんなことより、とにかく痛くて恥ずかしかった。



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