P.P.Qには秘密。
「わああああーっ、やーばーいーっ!」
ちゃりちゃりちゃりちゃり、微妙にまだぎこちない音を立てるチャリンコを必死で漕いで、
「こらーっ、もっと安全運転せんかーっ!」
「ひーっ、ごめんなさーい!」
校門前に立ちはだかる遅刻者チェックの先生の怒声を浴びながらも、ギリギリ七分前でそこを通過して、
キキ─────ッ!
「い、そ、げ─────っ!」
華麗にチャリンコ置き場に滑り込んで駐輪したなら、いまだかつてないダッシュで三階まで駆け上がる。
後、三分!
「いやあああっ、あ、あと……に、ふん……やば、い、息きれそ……!」
それでもダッシュ!
後、一分……!
──キーンコーン、
がらっ!
「ま、間に合っ……た!あたし天才!」
カーンコーン──
非情なチャイムが始業を告げる頃、すっかりへたばったあたしは、よろよろと自分の席へと到着していた。