P.P.Qには秘密。
▼パパ、パパ、女王様とあたし。
あたし、茅ヶ屋桃子(ちがや ももこ)。
十五歳で女子高生で、ついでに思春期だったりして。
ついでのついでに、寝癖を直したいのにドライヤーが見つからない。
「……何故だ」
昨夜、ベッドに入る前には、あたしの部屋のドレッサーに置いてあったマイナスイオンドライヤーがない。
あれ、バイト代貯めて買ったのに。
「……何でだ」
言ったところで仕方ない言葉をもう一度呟いて、でっかいうさぎ枕に、ぼすっと顔を埋めた。
……二度寝しちゃおうかなー。
だって、ドライヤーないし。
「……ねむ」
くああっとあくびをして、もそもそとベッドに潜り込んでみたなら、
「桃ちゃん!」
「朝だよー!」
「……」
うざったいことこの上ないテンションマックスな声が、ノックもなしに、あたしの部屋に乱入してきた。