P.P.Qには秘密。
思春期の娘がいるのに教育上どうなんだとか、そんな、至極全うな正論は、女王様には通用しない。
「何あんた、寝癖ひどーい」
あたしの頭を見て、からからと笑った女王様。
の手には、あたしのマイナスイオンドライヤーが。
やっぱりね、とは口にしなかった。
だって、いつものことだし。
ため息こそついたりしちゃうけど、あたしはママがきらいじゃない。
ママはまだ若いし、娘から見たって、とてもじゃないけど子持ちには見えない。
だから、恋人がいたっていいと思ってる。
恋人っていうか何ていうか、パパだけど。
あはは、とちょっぴり空気を読んで困惑気味なつぐみちゃんが、ママがソファにポイ捨てしたマイナスイオンドライヤーを手に取った。
「食べちゃって、髪やってあげるから」
「……うん」
ありがと、と言えないあたしは、やっぱりまだ、子供なのかな。
「お待たせー」
つばめちゃんが運んできてくれた朝ご飯をつつきながら、ちょっぴり、切なくなった。