P.P.Qには秘密。



あたしはまだまだ十五歳。
大人なんかにはほど遠くて、でも、子供と言われるには何か違うような気がする、そんな微妙なお年頃。


「桃ちゃん」
「……なあに」


マイナスイオンも、この微妙なお年頃には効かない。
そもそもが、パパが二人いる時点で、マイナスイオンじゃ物足りないのはわかってるんだけど。

肩までのボブを内巻きにしながら、背中から掛けられたつぐみちゃんの声が、何だかくすぐったい。

くすぐったくて、また、微妙な切なさが胸を締めた。

何であたしは十五歳なんだろう。
何であたしは大人じゃないんだろう。
何で、何で、つぐみちゃんとつばめちゃんがパパなんだろう。

何で、よりによって……


「卵焼き、壊滅してるよ」
「……」


あたしの気持ちを知ってか知らずか。

つぐみちゃんの緊張感の欠片もない言葉に、壊滅した卵焼きにため息を零した。



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