君の腕の中で眠る時まで
そこには
あの本が置いてあった

そしてしおりが挟んであった


震えた手で開く


「っ…」


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わが袖は

潮干に見えぬ沖の石の

人こそ知らぬ

乾く間もなく

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人目を忍ぶ恋に泣きぬれているという歌だった
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