PURE ~ずっと忘れない~
その翌日のお昼近く。

あたしの携帯が鳴った。

親に挨拶してる筈の美月からだった。

「どうしたんだろう…。上手くいってないのかなぁ?」

そう思いながら、通話ボタンを押した。
「もしもし、美月。どうした?」

「もしもし…亜紀…?…どうしよ…猛が…猛がぁ…。」

電話の向こうで、美月が泣きじゃくっていた。

「猛君がどうしたの?何が有ったの?」

美月は、ただ泣きじゃくってて会話にならない。

「美月、今何処にいるの!?」

「い……え…。」

絞り出す様に答える美月に

「美月、待ってて?今からそっちに行くからね?」

そう言って、電話を切った。

あたしは、直樹君に電話をした。

今日、映画を見る約束をしてたから、キャンセルする為に。
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