PURE ~ずっと忘れない~
次々、零れる涙が

頬を伝って、枕の

シーツに染みを作っていく…。

「おばさん…。亜紀は、こうして一人で耐えて来たんです…。」

直樹君が、お母さんの前に出て、話しを始めた。


「亜紀は、僕の前でしか、泣け無かったんです。

いつも、辛そうにしてても何も言わなくて、僕が聞いてやっと、話しする位溜め込んでいたんです。
亜紀は、ちゃんと

頑張ってます。

一生懸命、頑張ってるんです…。

だから、お姉さんと同じ様に、褒めてあげて下さい…。

認めてあげて下さい
お願いします…。」
お母さんに深く頭を下げてくれた…。

その姿に、あたしも美月も涙が止まらなかったんだ。
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