PURE ~ずっと忘れない~
「私の教育が、間違えてると言うの!?
初対面の人に言われるなんてね…。

私は一度帰るわ。

帰る時、電話ちょうだい…。

迎えに来るから。」

そう言って、お母さんは病室を出て行った。

お母さんの言動に、凍りついた。

直樹君の気持ちを…
何で、そんな言い方しか出来ないの?

ひどい…。

ひど過ぎる…。

悔しくて、枕をドアに向けて投げ付けた。

ボスン!

ドアに当たって、床に落ちた…。

「亜紀…。落ち着いて!? もう少し横になってないと。」
動揺を隠せない美月だけど、あたしの側に来て、優しく肩を撫でてくれた。

「亜紀、暫く俺ん家来るか!?

少し、冷却期間を置け。

傷にもよくないし。」


思っても無い直樹君の言葉に、びっくりして、瞬きをするのを忘れていた。
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