PURE ~ずっと忘れない~
予約した時間になり、処置室から顔を出した看護師さんが

「中村さぁ~ん。

中村亜紀さぁ~ん、処置室に入ってくださぁ~い。」


「あっ…はい。」

読みかけの週刊誌を本棚に返して、処置室に行く。


「宜しくお願いします。」

椅子に座ると、おじいちゃん先生が、包帯を外して、ガーゼを取った。


「傷口塞がって良かったですね。」


そう言いながら、処置をしてくれた。

縫っているから、少し傷痕が残る…。

この傷が有るから、美月とお腹の赤ちゃんが助かったんだ。

この間、久しぶりに美月と逢ったら、凄く元気そうで、猛君とは、喧嘩もよくするけど、家事を手伝ってくれると、ノロケてたっけ…。

いいなぁ…。好きな人との赤ちゃんかぁ…。あたしもいつか、直樹君の赤ちゃん欲しいなぁ…。

可愛いんだろうな。

ぼんやり考えてる間に終わっていた。

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