PURE ~ずっと忘れない~
「亜紀ちゃん、高校生?」 とりあえずのお約束の質問をしてきた。 「はい…1年です。」 何故か、直樹君の顔が見れない…。 車の中は、エアコンが効いていて涼しい筈なのに、顔だけが熱い。 「亜紀ちゃん、顔赤いけど、エアコンの効きが悪い?」 こんなに広い車の中なのに、膝同士がくっつきそうな位に近くに座っている。 今更、離れるのは悪い気がして、動けないあたし。 「いえ…。エアコン効いてます。」 すると、前に座ってる猛君が後ろを向いて「大丈夫だよ? 初対面の人相手に襲いかからないから直樹は。なっ?直樹」 おっ…襲いかかるって…。 余計に恥ずかしくなって俯くしか出来なくなった。 「おま…。女の子相手に何言っちゃってんだよ!亜紀ちゃんが困ってんだろ? デリカシーねぇのか、お前は!」 そう言って、猛君の頭を叩く。
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