PURE ~ずっと忘れない~
「ただいまぁ。」

部屋に入ると、不機嫌な顔をした直樹君がいた。

「今、何時だか分かるか?バイトはとっくに終わってるよな?」

顔色一つ変えないであたしを見てる。

「ごめんなさい…。
バイト先の友達と喋ってたら、遅くなって…。」

「8時30分だろ?しかも、女が一人歩いていい時間じゃ
ねぇだろ?」

真っ直ぐ見据えてる直樹君が怖くなって涙が溢れてきた。

「楽しい気持ちも分かるけど、時間を考えろよ!

お前はまだ、15歳の子供だろ!」

「ごめ……さい…。」

次々流れる涙を拭う事も忘れて、床に落ちていく。

「風呂入ってこい。
暖めておいてやるから…。」

テーブルの上に乗った野菜炒めをレンジに入れた。

「ごめん…なさ…い。」

もう一度謝って、寝室に行こうとしたら
「言い過ぎた…。わりっ。」

あたしを、そっと抱きしめてくれた。

「心配かけんな…。」

その後、あたしが泣き止むまで、優しく頭を撫でてくれた。
怒ってたのに、頭を撫でる直樹君の手が優しくて…。

中々、涙が止まらなかった。

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