PURE ~ずっと忘れない~
そんな時、携帯が鳴った。

「もしもし。」

「もしもし、俺。

今日さぁ、達也ん家で飯喰う事になったんだけど、亜紀も行こうぜ?」

「えっ、タッちゃん家で?行く行く。

美月に逢うの久しぶりだし。」

心が弾んだ。

あたしも、学校とバイトが有るから、中々逢えなくて、少し寂しかったから。

「じゃあ、仕事終わったら電話するから、構えて待ってな?」

「うん。分かった。」

電話を切って準備しようと出してた野菜を片付けていたら、
また電話が鳴った。
「誰だろ…。」

ディスプレーを見ると、岡村君だった。

「はい…。」

「あっ…もしもし、岡村です。亜紀ちゃん?

ごめんね、こんな時間に。仕事のシフト変更なんだけど…。」

シフトの話しをして、世間話しに移った。

あたし達は、時間を忘れて話し込んでいたんだ。


かなり時間が経ってたんだろう。

鍵が開いて、直樹君が帰って来た。

振り向くと、あたしを凄い目で見ていた。

「ごめ…切るね。」
慌てて電話を切ると
「誰と話してたんだよ。何回も電話したのに話し中だしさぁ。」

「あ…バイトの友達?最近仲良くなったの。シフト変えの事でちょっと…。」

あまりに直樹君の目が怖くて、声が震えた。

「シフト変えの用事で、どんだけ話してんだよ。

言ったよな?仕事終わったら電話するから構えて待ってろって。

何回かけても話し中だし?構え出来てないし?何か、おかしくね?」

「あの…ごめん…なさい…。」

直樹君の顔が怖くて直視出来なくなって俯いた。

「なあ…。やっぱ、お前、実家帰れよ」
「えっ…?」

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