PURE ~ずっと忘れない~
「何で…美月来たの?」

あたしは、美月に抱きしめられたままでいる。

「あの日…。タッちゃん家に行った日、
直樹君が一人で来たから、問いただしたら、亜紀と距離を置くって…。

アパートを出て来たって聞いたから、

もしかして、亜紀一人で居るのかと思ってね。」

「美月…。有難う。ダメだよぉ?妊婦さんが、こんな所まで来ちゃあ。」

「いいの。妊婦も運動しないと、油断したら、太るんだからね?」

「触って…いい?」
「もちろん。」

そっと、お腹に手を当ててみた。

確かに、この中には、新しい生命が宿ってて…

二人の愛が、此処に有る。

お母さんのお腹にいた時も、こんな感じだったのかなぁ…。
あのまま飛び出してしまったけど、お母さん…今、何を思ってる?

少しは、心配してくれてるのかなぁ…。
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