PURE ~ずっと忘れない~
「そうそう、亜紀、
お母さんから、しつこい位、電話くるんだけど、たまには

元気な声を聞かせてあげな?

口では、残酷な事言ってるかもしれないけど、ちゃんと亜紀の事、心配してんだよ。」


えっ…お母さんが?
「ストーカーの様に電話してきて、亜紀から電話有ったのか?とか、ご飯食べてるのか?

とか、彼氏と上手くいってるのか?

とかね…。

一度、連絡しな?」
お母さん…。

ごめんね…。

心配ばかりかけて、ごめんね…。

今度は、あたしが美月の胸の中で泣いたんだ…。

美月は、そんなあたしに何も言わず、ただ優しく抱きしめてくれていた。

昔、幼い頃に抱きしめられた母の温もりを確かめるかの様に、あたしは美月に、母を重ねていた。

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