PURE ~ずっと忘れない~
充電完了した、携帯を持って、お母さんの携帯に電話した。
コール三回で、お母さんが出た。


「もしもし…お母さん?亜紀だけど。」
久しぶりだから、声が震えてくるけど、頑張って話した。

「もしもし、亜紀?あなた、元気なの?
ご飯ちゃんと食べてるの?

学校行ってるの?」
マシンガンの様に次々くる質問だけど、お母さんの気持ちが痛い程、伝わってくるよ…。

「うん…。ちゃんと食べてるし、学校も行ってるよ?

お母さん…あのね…?ごめんなさい…。
あんな形で家、出たりして…。ごめんなさい…。」

1番言いたかった事が、ちゃんと言えた…。

直樹君が、真っ直ぐにあたしを見ててくれて、視線が重なる事に、優しく微笑んでくれたから…。

「一度、帰って来なさい。

お父さんも心配してるから…。柳原君も
一緒に来る様に伝えてちょうだい。

一度、お礼を言いたいから。」

「ん…。分かった。一緒に行くね?」

「お母さん、今仕事中で手が離せないから切るわね?

風邪……ひかない様にね?あなた、油断すると、すぐ風邪ひいちゃうんだから。」

そう、あたしに言って電話がきれた。

涙が止まらないよ…直樹君…。

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