PURE ~ずっと忘れない~

お母さんの気持ち

今週の日曜日。あたしは、直樹君と実家に行く。


あと…二日。

その日の夕方、晩御飯の支度をしていると、携帯が鳴った。
「誰だろう…。」

包丁を置いて、手を洗って、拭きながらテーブルの上に置いてある、携帯を取った。


「もしもし?」

「もしもし、亜紀?
お母さんが…。

お母さんがぁ……。」

電話は、お姉ちゃんからで、泣きじゃくっていた。

「もしもし?お姉ちゃん?お母さんが何?

どうかしたの?

落ち着いて!」

そう言葉をかけるけど、ひたすら泣きじゃくってる。

何か嫌な予感…。


トイレから出て来た直樹君が、あたしの様子を見てた。

「お姉ちゃん!泣いてちゃ分からないよ!」

「お母さんが…倒れたの…今…手術室に入ってる…どうしよう…。」

「お母さん…が…倒れたって…どういう事…?」


あたしは、フリーズした…。

だから、あたしの手から携帯を取って、直樹君が、代わりに出てくれた。

「もしもし?俺です。直樹です。お母さんが、どうしたんですか?」

「お母さんが…倒れ…て……お父さんに電話…したけど…出なくてぇ……。」

「今、何処の病院にいるんですか?」

「〇〇の救急病院…。」

「分かりました。

亜紀連れて行くんで、待ってて下さい。」


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