PURE ~ずっと忘れない~
直樹君が帰った後、お姉ちゃんと、先生、看護師さん二人が来た。

「先生、お母さんが!」

お母さんの側に行き先生が、お母さんに
「中村さん?中村さん聞こえますか?」
顔の側で先生が声をかけると、お母さんの瞼が、ピクピクと動いた。

「お母さん!亜紀だよ?分かる、お母さん!目、開けて?」
少し、興奮してたから、声のボリュームもでかい。

「お母さん、真紀だよ!」

お姉ちゃんも、お母さんに声をかけた。
お母さんの目が、うっすら開いたんだ。
「中村さん、分かりますか?」

その声に、お母さんの目が、完全に開いた…。

「お母さん!亜紀だよ?分かる?」

必死に声をかけると、お母さんは一回、瞬きをしてくれた。
「もう、大丈夫ですよ。良かったですね。」

そう言って、先生があたしの肩に、ポンと軽くタッチした。
「ありが…とう…ごさい…ました。」

涙を流しながら、お姉ちゃんが先生にお礼を言った。

人工呼吸機以外の機具を、看護師さんが除けていく。


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