PURE ~ずっと忘れない~
唇が離れた。

「行くね…?」

「うん。夜、電話すっから。」

「待ってる。」

玄関の戸を開ける。
「じゃあね。

また、土曜にね。」
そう言って手を振った。

「ん…。」

素っ気ない返事だけど、小さく手を振ってくれた。

バタン……。

「亜紀なの?」

リビングから、お姉ちゃんが出て来た。

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