PURE ~ずっと忘れない~
「お母さん、あのね?亜紀、家に帰って来たんだよ。」

「そ…なの…おか…え…り。あ…き…。」

「お母さん…ただいま。」

あたしは、お母さんの顔に近付いて、ゆっくり喋った。

「お母さん、あのねお姉ちゃんたらさぁ、包丁裁き、下手くそなんだよぉ。」

「あ~っ、亜紀。

何言っちゃってんのよ!」

「だって、ホントの事なんだもん。」

あたし達のやりとりを見てた、お母さんが、目を細めて微笑んでいた。

何気ない、幸せを、あたしは今感じているよ。

直樹君…。

あなたのくれたものは、家族の絆と、ささやかな幸せ。


あなたは、あたし達を元に戻してくれたね。

おっきなプレゼントを有難う……。


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