PURE ~ずっと忘れない~
電気を付けると、袋から取り出したローソクを16本刺して、
台所に有った、ライターで一本、一本火を燈した。

再び電気を消すと、暗い部屋の中、炎に照らされた直樹君の顔が、幻想的に浮かび上がってて、凄く綺麗…。

「亜紀、誕生日おめでとう。

ここで、亜紀が生まれたんだよな?」

「うん…そうだよ。」

一個消した。

「一歳、おめでとう。」

「有難う。」

次を消した。

一つ、一つ消す度に「おめでとう」と言ってくれる直樹君。
「15歳おめでとう。この夏、俺ら知り合ったんだよな。

亜紀は緊張しまくりだったよな。」

「そうだったね…。直樹君、よく喋ってたけどね…。」

あたし達は15歳で、直樹君は19歳。


< 253 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop