ＰＵＲＥ ～ずっと忘れない～

「亜紀、今日は直樹君とデートじゃないの？」

額から流れる汗をタオルで拭きながら、お母さんが聞いた。
「ううん。直樹君は今日から四日間、神奈川で研修するんだって。

暇だから来た。」

「あら、じゃあ私はあなたの暇潰しの人？

先生、酷くありません？うちの娘。」

とおどけてた。

「まあ、いいじゃ有りませんか？

こうやって来てくれるんですから。」


「そうだよぉ。優しい娘じゃん。頭悪いけどさ。」

「頭悪い子供程、可愛いと言いたいのかしら？」

「亜紀ちゃん、可愛いですよね。

彼氏いなかったら、俺、ソッコー告ってますよ？」

「先生って、チャラ男だったんだぁ。」
「違いますよぉ。」
こんな感じで、お母さんとも打ち解けて、以前の様なギスギスした感じは無くなった。