PURE ~ずっと忘れない~
「とりあえず、その汚い手、離してくんないかなぁ?」 さっきよりも、目つきが鋭くなる。 「わっ…分かったよ。」 あたしを開放して、何処かへ行ってしまった。 「遅れてごめんな?怖かったよな…。」 そう言って、直樹君が優しくあたしを抱きしめてくれて、背中を軽くポンポンとしてくれた。 直樹君の胸の中にいると、暖かい日だまりに包まれている様で、不思議と安心出来た。 「落ち着いた?」抱きしめた腕を緩めて、あたしの顔を覗き込んだ。