PURE ~ずっと忘れない~
直樹…君…。

泣けない筈のあたしの目から、涙が零れ落ちた…。

「亜紀さん…約束果たせ無くて、ごめんなさいね?

でも、これだけは約束して?」

真っ赤な目をした、お姉さんが、あたしを見た。

「絶対に直の後を追わないで?

あなたは、まだこれからだもの。

直の分も生きてちょうだい?

それがあの子の願いだから…。」

「あたしは…直樹君のいない世界で、一人で生きていかなくちゃいけないの?

そんなのヤダ…。

直樹君がいないと、あたしは生きている意味がないの!

直樹君がいるから、生きていられるの…。」


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