PURE ~ずっと忘れない~

生きるという事

お父さんの車が来た。

「亜紀。」

「お姉ちゃん…。」
車を出ると同時に、お姉ちゃんが、あたしを抱きしめた。

「大丈夫なの?辛かったでしょ?」

「お姉ちゃん…。」
止まっていた涙がまた出る。

ねぇ、直樹君。

涙って、枯れないんだね。

だって…どんだけ泣いても、また次溢れてくるんだよ?

知ってた?

また、亜紀は泣き虫だって笑う?

でもね?

あたしは、直樹君の為にしか泣かないよ?

他は、お母さんの為に使ったから、もうないや…。

いっつも、あたしが泣くと、優しく背中をポンポンしてくれたよね?

まるで、あたしがちっちゃい子供みたいに…。

もう…それも無くなっちゃったね?


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