PURE ~ずっと忘れない~
「うん…。」小さく頷くと、ニコッと笑って「じゃあ、どっか行く?」 あたしの手を繋いできた。 「うん…。」 初めて繋いだ手は、大きくて、骨ばっててゴツゴツしているけど、胸の中と同じで暖かい…。 トクン…トクン…… この音を直樹君に聞かれたらどうしよう…。 手を繋ぐだけで、こんなにもドキドキして、落ち着かなくなるんだと知った…。 直樹君はどんな気持ちかなぁ? 少しはドキドキしてる? それとも…こんな事慣れてて、何ともないのかなぁ…。 「乗って?」 駐車場に行くと、鮮やかな、夏と同じ空の色の単車が有った。 「キレイ…。」 思わず、言葉にしてしまった。