PURE ~ずっと忘れない~
遺体の周りに、花を入れる。

どの人も皆、泣いていた。

あたしも、入れなきゃと思うのだけど、足がすくんで、動かない…。

直樹君の顔を見るのが怖い…。

これが最後だと、思い知らされる様で。
泣かないと決めていたのに、涙が止まらない…。

直樹君…。

ヤダよ。

もっと、側にいたいよぉ。

もう一度、その手であたしを抱きしめてよ…。

もう一度だけ、「亜紀」って言って?

ねぇ…最後のお願いだからぁ…。


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