PURE ~ずっと忘れない~
着いた時には、もう辺りは暗くなってて、あたしと直樹君以外、誰も居なくて。 「ちょい、ここ歩くよ?」 「うん。」 「はい。」そう言って、直樹君があたしの前に、左手を差し出した。 「有難う…。」 そう言って普通に手を繋いだ。 最初逢った時は、恥ずかしくて、拒んでしまった直樹君の手…。 細い小道を抜けると、そこには、宝石をちりばめた様に輝いていた。 「すごぉ~い。」 「だろ?」 暫く言葉もなく、二人で見ていた。 トクン…トクン… あまりに静かだから、心臓の音が聞こえてしまうかと思った。
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