PURE ~ずっと忘れない~
その言葉に涙が止まらなくなって、小さい子供の様に、泣きじゃくった。


ずっと、誰かにこうして欲しかったのかもしれない…。


誰かの温もりに包まれて、安心をしたかった…。


「有難う…。思いっきり泣いたら、スッキリした。」


顔を上げると、すぐ近くに直樹君の顔が有って


恥ずかしくて、また俯いてしまった。


こんな時、どうしたらいいんだろう…。

顔を上げる事出来なくて、ずっと下ばかりを見てたんだ…。

「亜紀ちゃん…。顔上げない?」


そう言われても…。

「顔…上げて?」


あたしの両頬に、直樹君の大きな手が有った…。


トクン…トクン…


ゆっくりと、顔を上げた。


トクン…トクン…


「泣いた、亜紀ちゃんの顔も可愛いね?」
< 54 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop